現在高校1年生の生徒たちの大学受験から制度が変わりますから、もうあまり期間がないですね。英語の試験に外部試験を取り入れる事に対して、ネット上ではそれに反対する理論が出ていたり、本も色々出ていますが、テレビや国会で論議されているのをあまり見かけませんね。関心薄いのかしら?
2013年に政府の教育再生実行会議が「大学入試や卒業認定におけるTOEFL等の外部検定試験の活用」「小学校英語の教科化」「中学校の英語授業を英語で行う」といった方針を盛り込んだことに対して、危機感を抱いた英語教育の専門家たちが、異を唱えるために、この本は緊急発売されました。
初めの4章は、4人の著者が、それぞれの立場・視点から述べられていて、最後の章は座談会となっています。
えっ?と驚いたのは、外部試験の導入案は、経済同友会から出た話なんだそうです。どうやら一部のエリートを育成するための政策のようです。確かこの前国会を通った「高度プロフェッショナル制度」も経団連の強い要望ってことでしたね。教育まで経済界の力が及んでいるんですね。
外部試験を大学入試に入れるってことは、色々ある試験それぞれタイプが違うので、その練習のために色々受けることになりますね。お金がすごくかかって高校生を持つ家庭も大変だけど、その受験料は、それを受け持つ企業に流れるんです。受験料の補助をするってこの前政府は言っていましたが、その補助は税金です。つまり、税金がある一定の企業に流れるという構図です。こういったことをもっと報道してほしいですよね。 知らない間に、色々決まって、一部の人たちの利益になっていくのね。
本では、高校の英語授業が、外部試験の対策に追われるんじゃないかって懸念も示されています。また、このままでは教育全体が歪むことを憂慮されていて、国民一人ひとりが教育の在り方を真剣に考える必要があるとも書かれています。
小学校の英語教科化についても、座談会で「小学校の英語を教科化して、だめだと分かったときはどうするんでしょう?」と鳥飼さん。大津さんは、「そのときはもう遅いですよ。」江利川さん「中学校入学の時点で、モチベーションがぐっと下がったまま入ってきて、中学校の荒廃がもっと進むでしょうね。」って・・・。
どうなっていくのか、見ていかなければなりませんね。