本を3冊買ったら、題名に共通点を見つけました。
凪良ゆうさんの「わたしの美しい庭」、町田そのこさんの「うつくしが丘の不幸の家」、柚月裕子さんの「蟻の菜園」。全部、家に関係がある題名です。そして、作者は女性。
「わたしの美しい庭」は、今話題の「流浪の月」の作者です。「流浪の月」と設定もストーリーも違うけれど、家族の在り方、人とのつながりは、固定観念から解き放たれて、もっと自由でもいいんではないかというメッセージがあるように感じます。
「うつくしが丘の不幸の家」は、不幸の話かと思いきや、実は幸せの家で、それも幸せをどう捉えるかという意味では、「わたしの美しい庭」と根底にあるものに共通点があるかもしれません。大きな美しい家に住む人たちの色々な事情と人間関係。様々な理由で家を出ていくことになるけれど、不幸のままでは終わりません。連作短編で、次の章がその前に住んでいた人たちのストーリーで、構成がうまく考えられています。
今年に入って柚月裕子さんのミステリーにハマり、次々に読みましたが、どれもすごく面白く、期待を裏切られたことはありません。連続不審死事件を追うフリーライターが主人公ですが、その事件の根っこの部分には幼少期のネグレクトが関係していて、社会的問題を含んでいる重い主題を持つミステリーです。蟻の菜園という題名がつけられている意味も最後の方で分かります。
それにしても、最近の本は装丁が美しい。絵もきれいでキラキラしています。